ある程度年が嵩んでくると、自分の先行きはそれほど長くないと意識するからでしょうか、病気になったらなったでいいと言う人がいます。そして、あんまり長生きしないであの世に旅立つ方が、みんなのためになるのではないか、だから自分は人間ドックなんて受けないという理屈につなげます。本当にそうでしょうか。定期健診も町で行う健診も人間ドックなども何も受けずにある日どこかが具合悪くないなり、お医者さんに診てもらい、病気が発見され、入院治療というようなことになりますが、こうしたときに手遅れですぐお迎えが来るとは限りません。
長い間の闘病生活になることも稀ではないのです。そうなると、自分が意図していたこととは別に周りの人にいろいろお世話にならなければならなくなります。つまり、みんなに迷惑がかかるということになります。人間ドックを受診し、病気などを早期に発見し、早期に治療すれば、闘病生活は経験しないで済みます。
長い人生になり、あちこちが傷んだり、若いころに比べると無理が利かなくなることは自然の理ですが、それでも元気で丈夫に天寿を全うするという気持ちがあれば、心穏やかに孫や玄孫の成長を見守り、先輩としての知恵なども教えることができます。毎日少しは手を貸してもらうことになるかも知れませんが、おじいちゃんおばあちゃんが長生きし、俗にいう「ピンピンころり」で旅立つ姿を見てもらうのが、みんなにとってもいいことのはずです。